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ドーパミン とは? ドーパミン不足はADHDの原因の一つなの?

公開日
更新日

 
執筆:Mocosuku編集部
監修:豊田早苗(医師、とよだクリニック院長)

 
ドーパミン という言葉は知っているが、詳しい内容は良く知らない人も多いのではないでしょうか? ADHDの原因の一つとして、ドーパミン量の不足が指摘されています。ADHDの人の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの量は、ADHDではない人と比較すると少なく、そのことが、ADHDの特徴である衝動性、不注意、集中力の不足に関係していると考えられているのです。この記事では、ADHDの原因ではないかと言われているドーパミンについて説明します。
 
 

ドーパミンとはどんな物質?

 
ドーパミンとは、外部からの刺激を神経細胞(ニューロン)に伝える物質である神経伝達物質で、アドレナリン・ノルアドレナリンが生成される前段階の物質(前駆体)となります。
 
ドーパミンは、生体内にあるアミン化合物の総称である生体内アミンであるカラコラミンの一つです。食物の中にあるチロシン、フェニルアラニンといったアミノ酸が、酵素により化学反応し、ドーパミンとなります。
 
ドーパミンは、ドーパミンβ水酸化酵素の働きでノルアドレナリンとなります。
 
 

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神経伝達物質としてのドーパミンの生成と再利用の仕組み

ニューロンとニューロンの間には、シナプスがあり、電気信号が伝わると、シナプスで化学物質が生成・放出され、次のニューロンに電気信号を伝えますが、ドーパミンは、このシナプスで生成・放出される化学物質の一つです。放出されたドーパミンは、受け手である神経細胞(ニューロン)にある受容体というたんぱく質にくっつき、役目を終えると、神経末端のシナプスにあるたんぱく質(ドーパミントランスポーター)により取り込まれて再利用されるのです。
 
 

ドーパミンの働きは?

 
約1兆個の神経細胞が脳には、存在します。そのうち、ドーパミンのみに反応する神経を、ドーパミン作動性神経と呼びます。具体的に脊椎付近にある腹側被蓋野という原始的神経核から前頭葉までつながっている神経路のことを快感神経系と呼びますが、この快感神経系に作用するのがドーパミンです。
 
ドーパミン作動神経は、快感を得たときに活発に活動する神経です。つまり、ドーパミン分泌とは、人が快感を得るという事でもあります。
 
このように、ドーパミンは、「快感や幸福感」「意欲」等を人が感じるために、必要な脳内ホルモン(神経伝達物質)です。
 

・ドーパミンにはダイエット効果がある?
ドーパミンが多く分泌=快感を得ている、集中している状態です。この状態では、人は、何かに夢中になっている為、食欲は抑制されています。ドーパミン放出が多い程、食欲は抑制され、ダイエットには有効と言われています。
 

・ドーパミンが過剰に放出されると…
ドーパミンを過剰に分泌すると、幻覚や幻聴、妄想などの症状がでることがあります。また、ドーパミンの構造は覚醒剤と類似しており、その為、覚醒剤使用時には、ドーパミン放出時と同様な高揚感を得ることができるのです。
 
 

ドーパミンを抑制するもの

 
ドーパミンの働きを抑さえる役割をするのが、GABA(ギャバ)神経と呼ばれる神経系です。ドーパミンを細胞内に取りこみ、ドーパミンの過剰分泌消費を防止します。
 
しかし、GABA神経の働きが、前頭葉には及ばない為、ドーパミンが前頭葉で過剰に分泌され使われ続けることがあります。また、GABA神経が繋がっている脳内麻薬様物質(オピオイド)を放出する神経細胞より、麻薬様物質の放出を受けると、GABA神経の働きが鈍ってしまう事があります。
 
 

ストレスはドーパミン放出を阻害する

 
ストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾルという副腎皮質ホルモンが分泌され、脳内のドーパミンの分泌は低下します。しかし、快感を得ている状態、つまりドーパミン等が分泌されている状態では、ストレスホルモンのコルチゾルは分泌されません。このように、ドーパミンとストレスには、相関関係が存在するのです。
 
 

ドーパミン不足が関係する病気

 
冒頭で述べたように、元々ドーパミンの分泌量が少ない、ドーパミンの再取り込み機能が過剰に働く等の理由により生じたドーパミンの不足が、ADHDの原因ではないかという考え方があります。
 
またパーキンソン病、うつ病、依存症、むずむず足症候群とドーパミン不足の関係が指摘されています。なお、パーキンソン病については、以下の記事をご参考にして頂ければ幸いです。

若年性パーキンソン病 とは? 原因・症状・治療法など
 
 

ドーパミンを多く分泌する為には

 
ドーパミンを多く分泌するには、ポジティブに、新しい事に挑戦する事が、重要です。新しい事に挑戦する事が、脳を刺激し、活性化させるのです。趣味に打ち込む、スポーツを行う、旅行する…些細な事でも構いませんが、日々の生活をリフレッシュさせるような、新しい何かに取り組む事、わくわくする事により、刺激を受けて、ドーパミンが分泌されるのです。
 
 
<監修者プロフィール>
豊田 早苗(とよだ さなえ)
鳥取大学医学部医学科卒業。2001年医師国家試験取得。総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年とよだクリニック開業。2014年認知症予防・リハビリのための脳トレーニングの推進および脳トレパズルの制作・研究を行う認知症予防・リハビリセンターを開設。著書に『あがり症克服プログラム』『3分ストレス解消法』など
 
 

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